心療内科医のひとりごと

専門用語を使わない心療内科のはなし


花粉症

今年もやって来ました、花粉症の季節、目の周りのむず痒さと鼻水は、医師としては体裁の悪いもので、私も毎年対策を取っています。

今では誰でもが知っている花粉症ですが、日本でこの診断名が使われ始めたのは比較的最近のことで、一般の人が花粉症という言葉を目にしたのは40~50年ほど前からだと思います。

子供の頃に体が弱く、しょっちゅう風邪をひいては学校を休んでいた私ですが、小学校5年の頃に、ある不思議なことに気が付きました。
それはある日のこと、私がくしゃみをしていたら母が、「風邪を引いたんだからお休みしなさい」と言います、私は最近気が付いたことを母に言いました、
「お母さん、僕は風邪じゃないと思うよ、これから悪くなりそうな感じが無いもん、今日は学校に行っても大丈夫だと思う」
母は不思議そうな顔をしましたが、「じゃあ、行っても良いけれど悪くなったら帰ってくるのよ」と送ってくれました。

何度も何度も風邪を引いた私は、風邪の症状の変化をすっかり覚えてました。
嫌な感じから段々と頭が痛くなり熱が出てくる。何日かして熱が引きやがて回復。
ところが、それ以外に、始まりは同じですが何だか、“悪くなって行きそうな感じがしない” 病状が在ります、
母に反論したのはまさにそれを言いたかったのです。
まだ、花粉症と言う言葉が一般に知られる前のことでした。
ずっと後になって、この話をした時の母の述懐でした。
「変な事を言うと思ったけど、あなたはお医者さんに向いていたんだ」

最近は良い薬がたくさんありますが、かつては困りものでした。
症状を抑える、抗ヒスタミン剤を服用すると、その副作用の強さで参りました。
大学病院で外来をして居た頃、「先生、何か良い花粉症の薬は無いですか?」と尋ねられると、「残念ながら在りません」と答えていました。
愛想の良い私がそんなぶっきらぼうな返事をすると、患者さんは驚いて、「先生、そんな冷たいこと言わないで出してくださいよ!」と言われます。
その答えが「僕も花粉症なのだけれど、薬を飲むと副作用のだるさで仕事が出来なくなるので飲んでいないんです」と言うものでした。

毎年、眼科と耳鼻科の友人に、「最新の花粉症治療を教えて!」と尋ねて、最新の治療をするように(患者さんにも自分にも)心がけています。

最近は、点眼・点鼻で症状を押えて、どうしても堪らない時にだけ、内服薬に頼ると言うのが私のお勧めです!



About Me

こんにちは、腎臓・血圧内科を専門として医師の仕事を始めました。腎臓がとても悪くなると血液透析をしないと、生きていけません。血液透析とは機械を使って1回に3から4時間、週に3回から4回、血液をきれいにする治療です。これが始まると殆どすべての患者さんが、うつ病のような状態になられます。患者さんの心に触れないといけないと思い、精神科の勉強も始めました。心療内科・内科を開業して13年目になります。難しい専門用語をできるだけ使わずに、心療内科のお話をして行きたいと思います。

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