第二次世界大戦直後の日本人の死因の第一位は何であったかご存じですか。それは肺結核でした、高杉晋作、樋口一葉、森鴎外、正岡子規、中原中也等、大勢の著名人が結核で死亡しています。
当然、この病気の治療方法が盛んに研究されストレプトマイシンの登場以降、結核は治る病気になって行きました。治療の進展の中で1960年代に、イプロ二アジドという薬を投与すると結核患者さんが陽気になると分かりました。なぜ陽気になるかというと、この薬が脳内でモノアミンの分解を妨げてモノアミンの濃度を上げるからです。
モノアミンとは脳内で情報を伝達し、脳の機能を高めて気分を陽気にさせる物質です。これから、モノアミン濃度の低下がうつ病の原因ではないかと考えられ、モノアミンの分解を抑える薬が開発されました。
それらの薬の中で最も効果の高い薬が、モノアミンの一つである、セロトニンの濃度を選択的に上昇させる選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であることがわかりました。
SSRI による治療は確かに効果があり、多くの患者さんのうつ病を治しています。しかし、未だに不明な問題点があります。
薬を投与してから、効果が表れるのに大きな個人差があることと、患者さんの脳内でセロトニンが不足している証拠が得られない事、更にSSRI による治療に反応しない患者さんが居られることです。

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