心療内科医のひとりごと

専門用語を使わない心療内科のはなし


春と花と鼻、それに華

春になり花が咲きます、それだけなら良いのですが “鼻” にも異変が現れます。
もう一つの華にも触れておきましょう。

東京の桜はもう終わってしまいました。
今年は絶好のお花見日和と言えるような日はなく、満開の桜が寒空のなかで寂しそうに咲いている、なんだか桜が可愛そうに感じた日が多かったように思います。

桜と同じ季節に我々を大いに悩ませてくれるのが、花粉症です。
スギ花粉症の季節はほぼ終わりましたが、わたしはヒノキ花粉症なので、連休明けまでくしゃみに悩まされます。
先日花粉がたくさん飛んでいたある日の午後、患者さんが診察椅子に座られると同時にくしゃみが出てしまいました。
「失礼!」
「あら先生花粉症ですか、もう終わりでしょう?」
「僕はヒノキ花粉症なのでまだ終わっていないんですよ」
「先生って、花粉症も高級感がありますね、スギ花粉よりもヒノキ花粉の方がお洒落 !?」
何だか妙な会話になりました。

子供の頃体が弱く、年中風邪をひいては学校を休む、風邪のベテランであった私は、ある日母がくしゃみに気付き、
「風邪だから今日は学校を休みなさい」と言ったので、
「お母さん、風邪を引いた時に感じる、これから悪くなりそうな感じがしないから、僕は風邪じゃないので学校に行くよ」と答えると
「あなた、変な子ね~」と母は首をひねっていました。
まだ世間に花粉症が知られていない時代のことです。
後年、お婆さんになった母が、
「おまえはお医者さんの才能が在ったのかも知れないね ?!」と言ってくれたのを思い出します。

俳優さん、それも多くの場合女優さんを褒める、「華がある」と言う表現があります。
以前通っていらした美人女優さん、薬の飲み方を間違えて、早めに飲み終えたので来院されました。
「先生、私うっかりしてたくさん飲んだので早く終わってしまいました、ご免なさい」
と言われながら、困った子供がするように身体をひねりながら、にっこりされました。
この “ニッコリ” は凄かったです、華の精がいきなり押し寄せたかのようで、柔らかいのに凄まじいインパクト、危うく診察椅子から転げ落ちそうでした。
「いや、大丈夫ですよ、次は気を付けてください」
と言って再度処方するのが、私には文字通り精一杯でした。
彼女が診察室を出てからもしばらく呆然としてしまいました。
正面に座られるだけでも、眩しいような美女のニッコリのインパクトはいまでも忘れません。

春、色々なことがあります!



About Me

こんにちは、腎臓・血圧内科を専門として医師の仕事を始めました。腎臓がとても悪くなると血液透析をしないと、生きていけません。血液透析とは機械を使って1回に3から4時間、週に3回から4回、血液をきれいにする治療です。これが始まると殆どすべての患者さんが、うつ病のような状態になられます。患者さんの心に触れないといけないと思い、精神科の勉強も始めました。心療内科・内科を開業して13年目になります。難しい専門用語をできるだけ使わずに、心療内科のお話をして行きたいと思います。

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