心療内科医のひとりごと

専門用語を使わない心療内科のはなし


うつ病の治療、“最初の2週間”

暖冬が一変して、急に寒くなりました、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
今回は、うつ病の治療を開始して間もない時期に起こる、患者さんの疑問や懸念についてお話しします。

患者さんのほとんどは、来院される前に、あれこれと悩み、自力で立ち直ろうと色々と努力されますが、それでも解決できない心身の不調を抱えて初めての診察に来られます。

まずは、さまざまな手段を使って、その方がどのような病気をお持ちであるか診断いたします。
うつ病であると診断された場合には、うつ病に関する医学的な説明、最適と思われる治療法、お出しする薬や考えられる副作用に関して、出来るだけ丁寧にご説明し、質問があればお答えいたします。

最初は2週間分のお薬をお出しするのが通例ですが、その後に患者さんからいただく問い合わせ、ご質問をご紹介し、それに関する私の説明を付け加えます。

一番多いのが、具合が良くなってきたが眠くて困る!とのご意見です。
これに対しては、眠気の原因となるであろう薬の服用量と服用タイミングの調整で対応いたします。
ほとんどの場合、上手く対応できます。

心身の不調が継続する~むしろ悪くなったように感じるが?といった質問もまれにはいただきます。

このような場合には、時間をかけて服薬前後の状態を詳しく伺います。
極めてまれには、お出しした薬との相性が悪く、状態が悪くなることも在りますが、そのような状況は1年に1度あるかないかと言った頻度です。

詳しくうかがってみると、服薬を開始しても期待したほど急速に症状が良くなっていない状態でのお問い合わせが多数を占めます。
薬剤治療の通例として、薬の量は徐々に増やしていきますので、身体の大きさから算定される、最適な量に到達するまでには、しばらくの時間が必要です。
治療に対する期待が大きい分だけ、効果が出るのに時間が掛ると、焦ってしまわれることもあるのです。

また、我々の心の中には、自分が病気であるとの事実を何とか否定したい、薬は飲まずに済ませたいと言った強い思いが隠れていることもあります。
そんな思いから、「薬を飲んでいるから病気、飲まなければ病気ではない」と言った転倒が起こって、服薬に拒絶的になられることもありますが、「病気だから治療が必要で、そのために服薬をしている」と言うのが真実です。

この辺りの葛藤で、当初の服薬が不規則になることもあります、飲んだり飲まなかったりと言った状態です。
しかし、結局はほとんどの方が、最終的にお出しした容量を服薬されて、症状の改善を確認されて、2度目の外来にお越しになります。

現在の日本では、保健薬として認められるには極めて厳重な基準を、きちんと満たす必要が在ります、また副作用があるにしても、その大きさは、薬が与えてくれる良い効果に対してきわめて小さなものです。

薬を飲まないで治療できないか?とのご質問もありますが、極めて軽いものを除いて、薬を使わないでうつ病を治す方法は現在の所ありません、と言うのが答えです。

もし、心身に不調を感じられていいらっしゃるなら、治療を受けて一日も早く、元気なご自分を取り戻す年にしてください!



About Me

こんにちは、腎臓・血圧内科を専門として医師の仕事を始めました。腎臓がとても悪くなると血液透析をしないと、生きていけません。血液透析とは機械を使って1回に3から4時間、週に3回から4回、血液をきれいにする治療です。これが始まると殆どすべての患者さんが、うつ病のような状態になられます。患者さんの心に触れないといけないと思い、精神科の勉強も始めました。心療内科・内科を開業して13年目になります。難しい専門用語をできるだけ使わずに、心療内科のお話をして行きたいと思います。

メールマガジン