心療内科医のひとりごと

専門用語を使わない心療内科のはなし


心療内科の服薬に寄せられる疑問について

患者さんが、初めて心療内科の薬を飲まれる時に感じられる、不安についてご説明をいたします。

心療内科や精神科の薬を飲むのは初めでですが、ネットや噂によると、このような薬を飲むと止められなくなり、一生飲まなければならないのではないでしょうか。

そのようなことはありません、先ず第一に指摘したいことは、『うつ病は治る病気』であると言うことです。
きちんと治療して病気が治った時には、服薬も終了します。

当院での治療についてご説明しましょう、治療方針に納得していただいたら、症状にあった薬を選び治療を開始します。
薬を徐々に増やしながら、ご自分の元気さに80点が付けられるような状態まで持っていきます。
そのような状態に達したら、その服薬量を3~4か月間継続します。
その後、患者さんと相談しながら、ご自分の状態に自信が持てた段階で減薬を開始、慎重に薬を減らして行き、最終的には服薬終了~治療完了といたします。
もちろん、中には、再発するのが怖いので最少量の服薬を継続されたいと希望される方が居られるます、そのような方には最少量の服薬を継続していただきます。

飲み始めたら、一生の間、薬を飲み続けなければならないなどということは全くありません。

ちなみに、父・祖父が共に高血圧であった私は、残念ながら中年になり高血圧を発症し、毎朝の服薬が欠かせません。
高血圧症の大部分は本態性高血圧症であり、治るものではありませんので、服薬は生涯にわたり継続しなければなりません(苦笑)。

若い女性の方は、妊娠・出産への悪影響、つまり服薬により奇形児の生まれる確率が高くなるのではないかという事を心配されます。

例外はありますが、我々が良く使う薬剤を服用されながら妊娠・出産されると、確かにほんの少しではありますが、奇形児の生まれる率が高くなります。
しかし、こちらも大丈夫なのです。
妊娠が確定するのは、最後に来た普通の生理の初日から数えて8週間後あたりです、この頃になると、胎児心音-赤ちゃんの心臓の音が聞こえます・超音波で見えます、これで妊娠が確定いたします。

お母さんが飲んでいる薬が、赤ちゃんに影響するのは、胎盤が出来てお母さんの血液が赤ちゃんに流れ込むようになってからですが、胎盤が出来るには妊娠の確定から更に4週間くらいかかります(妊娠第12週くらい)。
ですから、妊娠が確定した時点(妊娠第8週くらい)で、服薬を漸減・中止すれば良いのです。
服薬を終了して数日間が経過すれば、お母さんの血液に含まれる薬剤成分は無視できるレベルになります。
赤ちゃんが大丈夫なことがお分かりになると思います。

「それは良いのですが、私のうつ病はどうなるのでしょうか、薬を止めて大丈夫ですか?」と言う質問にお答えします。
妊娠3ヶ月を過ぎた頃から、妊婦さんの精神状態は極めて安定します、お腹の中の赤ちゃんがお母さんの精神を安定させるのです。
また、乳幼児に与えても安全な薬が在り、必要に応じて、妊娠・授乳時に少量を投与することも稀にあります。
お母さんが大切にお腹の赤ちゃんを育て、そのお母さんの精神状態を赤ちゃんが支える、男性としては何だか羨ましくなるような関係ですね。

多忙を理由に、長い間更新をさぼっておりました、早く更新せよとのお叱りや、新しいブログを読みたいとのご指摘をたくさんいただきました。
猛省して、出来るだけ頻繁に更新をいたしますので、お許しください。



About Me

こんにちは、腎臓・血圧内科を専門として医師の仕事を始めました。腎臓がとても悪くなると血液透析をしないと、生きていけません。血液透析とは機械を使って1回に3から4時間、週に3回から4回、血液をきれいにする治療です。これが始まると殆どすべての患者さんが、うつ病のような状態になられます。患者さんの心に触れないといけないと思い、精神科の勉強も始めました。心療内科・内科を開業して13年目になります。難しい専門用語をできるだけ使わずに、心療内科のお話をして行きたいと思います。

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